ラフマニノフ交響曲とティンパニ

ラフマニノフ交響曲2番には、好きな部分がたくさんあって数えきれないほどですが、私は特に1楽章が大好きです。1楽章の終結部分は、勢いにまかせて突き進み、重い1音で締めくくられます。 ところがその1音が問題で、まずは下のスコアを見てみましょう。…

ベートーヴェン交響曲7番の2楽章

ベートーヴェン交響曲7番の2楽章が好きです。この交響曲は全ての楽章が好きですが、特に2楽章が素晴らしくて、ベートーヴェンの全交響曲の中でも最も出来がいい楽章ではないでしょうか。 この曲の序盤は、低弦から高弦に向けて主題を渡していくのですが、主…

広辞苑をシュールに読む

電子辞書を使うのが好きです。 電子辞書が好きといっても、文章をたくさん読むから辞書を使うというわけではなくて、広辞苑のシュールな説明を読むのが好きです。 辞書というのは、簡潔な日本語の記述のお手本です。無駄な表現を極限まで削ったうえで、誰が…

グリーグとリスト

グリーグは、少年時代にノルウェー(当時はスウェーデン領)から、ドイツのライプツィヒ音楽院に留学に行きます。ライプツィヒ音楽院では、古典音楽を中心に教えていて、シューマンやワーグナーといった音楽は、急進的と言われ、学ぶことは推奨されていません…

ショパンとリスト

僕が所属しているオケではいま、ショパン・チャイコフスキー・グリーグのピアノ協奏曲に取り組んでいます。今まであまり興味のなかったこれらの曲ですが、CDを聴いてみるとびっくりするくらい素晴らしい曲で、なぜ今まで深く聴かなかったのだろうと反省する…

コープランドの市民のためのファンファーレ

コープランドの「市民のためのファンファーレ」について。 コープランド(1900年生まれ)という人はアメリカ生まれの作曲家で、同じアメリカ人の作曲家として有名なガーシュウィン(1898年生まれ)よりも2歳ほど年下です。 ガーシュウィンは1920年代頃に、アメリ…

新古典主義とヒンデミット

ヒンデミットと新古典主義について。 ヒンデミットは19世紀末に生まれて、ふたつの世界大戦を経験し、1963年に亡くなるという、激動の時代を生きた人です。 ヒンデミットが全盛期のとき、歴史とともに音楽も混沌としており、その中でこの人がとったスタイル…

マーラーのピアノ四重奏: 若さと情熱と耽美と

マーラーのピアノ四重奏が好きです。 マーラーは交響曲と歌曲のスペシャリストですが、実は学生時代には室内楽をいくつか作っていたとのことで、すべて失われたと思われていたようですが、実際にはピアノ四重奏だけが唯一残っていたそうです。 勝手なイメー…

チャイコフスキーの悲愴について

チャイコフスキーの交響曲6番"悲愴"が好きです。 それぞれ雰囲気の異なる楽章ごとにきれいなメロディがバンバン登場する、とっつきやすい曲です。この曲が初演された9日後にチャイコフスキーは死去している(ウィキによると)ので、人生の総決算といえる、ま…

フランクのピアノ五重奏

フランクのピアノ五重奏が好きです。 全3楽章がすべて短調という、暗い(むしろ深刻な)印象を持ってしまう曲想なのですが、切なさの中に仄かな希望と激しい情熱が埋もれているように聴こえる、大傑作だと思うのです。 日曜の午後、それも雨が降っている静か…